過密な首都圏から穏やかな瀬戸内のミカンの島へ

松山市地域おこし協力隊 藤本周一さん

 愛媛県松山市の忽那諸島は、瀬戸内の穏やかな気候と風光明媚な海に点在する9つの有人島と多くの無人島が浮かんでいます。過去には、海運業や沿岸漁業で栄えた面影もありますが、現在は柑橘類生産で健闘していますが、過疎化・高齢化が進む地域です。   

 この地域に地域おこし協力隊の一員として着任している藤本周一です。

 着任前は東京都で暮らし、都内で農業技術職として農業の技術や経営に関する支援をしていました。30年程、都内でも多摩地区や島しょ地域で現場対応をしてきました。

忽那諸島の夕日(中島から二神島を望む)

「定年退職フロンティア」として

 忽那諸島にやってきた動機は、定年退職を機に、高人口密度のストレスから解放されて、自由な発想で、人の役に立ちたいという思いからでした。地域おこし協力隊という立場での移住を選び、高齢でも雇用してくれる地域、今までに行ったことない地域を選びました。

 赴任した地域では、自分の経験や技能を活かして、地域の生活をより快適にする活動をしていこうと考えました。

 スタンスはあくまでも「主役は地域の住民、自分は主役をお手伝いする」です。   

様々な活動を通して

 これまで、具体的には以下のような事業・活動を支援させていただきました。

(1)自治体(松山市)や公益団体(「まつやま里島ツーリズム連絡協議会」等)の活動

(2)島内の地区(自治会)等が、主催・共催する地域活動

(3)島内主産業の柑橘類を食害するイノシシに対する獣害(イノシシ)対策

※自治体の支援でイノシシの捕獲駆除を実施し、愛媛大学と協力して生態調査を行う「中島地区イノシシ被害防止対策連絡協議会」の活動(捕獲、調査)を支援。

(4)愛媛県立北高校中島分校等地域の教育機関支援(園芸指導等)

 前職の経験を活かした農業支援だけでなく、過疎化が進み人手が不足する地域でお役に立てることに取り組んでいます。

 また、自身の移住経験を活かし、移住フェアなどでの移住相談の対応もさせていただきました。

「後何年お役に立てるかな」

 これからも地域の皆さんにご迷惑をかけないようにしつつ、お役に立てるよう次のようなことを引き続きやっていければと思っています。まずは自分自身の健康を第一に考えつつ、自分ができる範囲でやっていきます。

(1)公共施設・跡地の樹木の伐採・剪定・除草

(2)不在家屋や、高齢者家屋の庭園管理(シルバー人材センター、個人請負)

(3)害獣(イノシシ)の捕獲・生態調査支援:中島地区イノシシ被害防止対策協議会の活動支援

(4)自治体・公益団体地域等の移住・定住促進活動の広報・啓発活動支援

(5)地域資源の循環利活用支援  例:剪定枝や害獣堵体等リサイクル利用支援(住民活動、関係団体の支援)

 微力ですが、自分の持てる技術を提供して、地域の生活を担う人たちの、広い視野と行動力を育むお手伝いが少しでもできればと思っています。