しまなみ大島のチヂキです。島の山や海、それらを照らす日の光が夏の様相を呈してきました。
学校などによっては夏休みに入りだし梅雨明けが待ち遠しい時期ですが、都市部でのコロナの感染拡大がまた無視できない状況でもあります。
先日、山内さんから宿泊施設を運営する立場としてどう考えるか、というお話がありましたので、わたしからは、小売・飲食をする立場としての今の考えをお話したいと思います。
コロナの状況下での店運営
わたしが運営する『こりおり舎』は、コロナの感染拡大が深刻化し始めた今年の4月にオープンしました。感染拡大を受け、大々的なお披露目や告知はせず、喫茶はテイクアウトドリンクのみで営業スタート、緊急事態宣言下には一時休業をし、6月からは、換気や消毒の徹底をしながら、店内での飲食を含む通常営業を行っています。
島では今もスーパーなどを含む多くの店で消毒やマスク着用などいろいろな対策をしていますが、店をオープンした4月やコロナの感染拡大が広がっていた5月には、島の人たちにも警戒ムードがより強く漂っていて、自分が島の外に出ること、島の外から人がくることをとても気にしていました。店の運営形態を変更したのも、そこが大きな要因でした。
現在は、地域おこし協力隊時代に関わりのあった地域の方々をはじめ、イベント出店などで知り合った愛媛県内、しまなみ海道沿いの地域のみなさんが店へ足を運んでくださるものの、しまなみ海道のレンタサイクルが休止していた時期があったり、自粛ムードの影響もあったりで、店というよりも島自体へ足を運ぶ方が少ない印象があります。
それでも、松山、新居浜、西条、上島といった県内各地から、お越し下さる方々が増え、サイクリストさんも徐々に戻ってきて、みなさん県外や都市部への旅行へは行きにくい中、県内や近隣でお出かけを楽しんでいるのかなと思います。この傾向は、今週末の連休や夏休み期間に入っても、続くのではないかと思っています。
店のため、島のため
コロナの影響で店が開けなかった時期やお客さまが減っている状況を何とか支えてくれているのは、開店前から行っていた通信販売での売上です。自粛期間中は、自宅時間を見直す方も多かったのか、珈琲豆の注文も今まで以上にいただきました(応援的にご購入くださったみなさまありがとうございます…!)。 まだあまり成果は出ていませんが、本の販売も、通販に力を入れ始めています。 通販で売上を立てる、ということは当初から目指していたところではありますが、想定外の状況下での支えとなり、実店舗だけではない販売ルートを持っていたことをとても心強く思いました。
それと同時に、島に本屋やコーヒー屋がある意味を改めて感じてもいます。自粛ムードの中、日ごろ橋を渡って今治市内の喫茶店にコーヒーを飲みに行くのが日課だという島の方々が、島の中でコーヒーを飲めるなら、と来てくださったり、ちょっと出かける場所がほしくて、と足を運んでくださる方がいらしたり。自粛期間に断捨離した本を、ここなら活用してくれると聞いて、と持ち込んでくださる方がいらっしゃったり。ありがたいことに、実店舗があることの意義や、販売だけを目的としない場を島の中につくりたいという思っていたことの意味はあったのだと、そう感じることが日々あります。
本屋もコーヒー屋もない島に店をつくりたいと考えたのは、都会でいうサードプレイス的な、なにでもない場所をつくりたかったというのが大きなところです。当初目指していたヒトやモノ、コトが集まり交流する場に、ということは、まだまだできていない現状がありますが、協力隊活動中に感じていた潜在的なニーズは間違っていなかったのかなぁと思っています。
わたしが店を通して果たせること、成し遂げたいことはなんなのか。この状況でも足を運んでくださる方は何を感じてくださっているのか。この状況下でなければ忙しさにかまけて素通りしていたかもしれないことを、日々考えて運営しています。
島に感染を持ち込まない、ということももちろん大切です。店が感染源になることは避けたいので、今後も感染対策を徹底して行っていきます。それと同時に、この状況下でも店を開けておくことで果たせる役割を、しっかりと担っていきたいと考えています。