過疎なのに密

日直えひめ暮らし本多です。

先週末は、ボクの住む集落での一斉水源地清掃でした。
水源地?
都会暮らしの方や、えひめでも街中暮らしの方はピンと来ないかも知れませんね(^_^;)

結論から言うと、街中で言う浄水場の掃除です。

何故、浄水場の掃除を?と思うかも知れませんが、それもそのはず、いわゆる上水道の通っていない地域ではそれぞれ簡易水道という設備を作っていて、それを取りまとめる組合があります。それぞれというのも、行政区分的な”集落”というよりも地形的なくくりで同じ水源地から水を引く家の集まりで組合が作られている傾向が強いです。場合によっては数~数十軒で構成する組合ではなく、1軒の家だけで水源地を持っている場合もあります。

そういった簡易水道は、自主管理・運営なので、掃除も自分たちで行うのです。

水源地は山の中

水源地は近隣や上流に人家のない山の中の沢にあります

上水道がない地域の水道は、人家のない山の中を流れる沢から水を引き、ろ過してタンクに貯水します。その水を集落までホースで引いてくるという仕組み。もちろん集落内では地面の中を配管してるので、家のまわりや中では蛇口をひねればフツーに水が出ます。が、塩素消毒とかはしていないので当然カルキ臭はしません。
一応「煮沸消毒してから飲んでください」ということにはなってます。
ろ過と言ってもめちゃめちゃ古典的なシステムで、大きめの砂利→中くらいの砂利→細かい砂利→炭という4つの槽を通しただけのもの。なので、お天気続きの時はいいですが、大雨が降ると沢の流量が増え流れが激しくなるのですぐに水が濁ります(^_^;)

なので定期的に当番が清掃には上がるんですが、年に1回は全員で上がって大掃除をするというわけです。

クルマも入れない山道を歩くこと15分ほどで水源地です。

出合い仕事

このように共用部分の清掃など、関わってる人が一斉に出てきて共同作業することを「出合い仕事」なんて言います。
人によっては面倒に思われる方もいるかも知れませんが(これによってプライベートな予定を変更しないといかん場合もあったりするので)、ボクはこれがいなか暮らしの醍醐味だと思いますし、楽しくてしかたありません。

ろ過槽の掃除の様子。驚くほど原始的な構造ですが効果はバッチリ!先人の知恵の塊ですね。


作業は非常にハードです。
ろ過槽の掃除は、1槽に100以上入ってる砂利の袋を全部出して中を掃除し、砂利袋も洗ってから元に戻していきます。これが4槽分!
他にも一次タンク内の水抜きと清掃、取水口の点検・掃除、ろ過後の大タンク内の清掃、予備タンクの清掃とやることは盛りだくさんです。

でも、誰1人としてぶつくさ言わず、上手くいかないことも全て笑い話に変えながら笑顔の絶えない作業です。
だから楽しいんやろな~(*^^*)

結局、何をやるかじゃなくて誰とやるかなのかも知れませんね。

七夕の豪雨により濁流が入り込み、ろ過槽は泥だらけでした。。。

水源地の清掃は朝から始まりお昼過ぎくらいまで、みんなで力を合わせておこないました。

実は七夕の豪雨による本流増水(一部洪水)の際に、川の上をワイヤーで釣って集落まで渡しているホースの一部が破損して漏水し、水圧が全然上がらない状態でした。
「もうどうせなら一気にやろや!」とその修理まで掃除後にやってしまうバイタリティ!
これは後日ちゃんと慰労会をやらんといかんですね(*^^*)

いなかは近所付き合いが、、、

掃除についてきた娘はサワガニの子どもと遊んでましたw


「いなかは近所付き合いが密で、、、」って話をよく聞きますよね。
いなか度合いにもよるんですが、これはホントです。
だって、水道っていうインフラすら近所の人たちと共同管理運営してるんですから、付き合いが密にならないはずがないですよね。

だから近所の人ともよく会います。
〇〇さんにこの話しよう、とか、これ聞いてみよう、みたいなことは、急ぎさえしなければ数日の間に会って話をする機会が訪れます。
メッセンジャーやLINEは便利ですけど、直接会って話すのはやっぱりいいですね。


そんな過疎地ほど密な人間関係。
そして数日前に山内くんも書いてましたが1人1人の存在の大きさ。
これを求めている人はガッツリいなか暮らしがいいですよ☆

いなか度合いでライフスタイルは変わってきます。
あなたはどんな暮らしがしたいですか?