四国中央市地域おこし協力隊 大廣 将也さん
2022年4月、四国中央市地域おこし協力隊(新宮地域)に着任した大廣将也さんに、新宮地域の観光促進と移住環境整備をミッションとして活動した約1年を振り返っての感想と今後の展望を聞いた。
四国中央市初・地元出身の地域おこし協力隊
高校卒業まで四国中央市で過ごし、その後は進学に伴い県外で過ごした大廣さん。これまでは旅行会社や観光協会で仕事をしていたが、コロナ禍で観光市場が縮小し、地元へ戻り転職することを検討。
観光業とは別の仕事をしようと求職していたが、時を同じくして四国中央市では地域おこし協力隊として観光業に携われる人材を探していた。
これまで観光に関わってきた者として
「市の観光を発展させるためには、地元の人が地域のいいところを伝えていくべき。そしてそれを担うのは自分しかいない!」
と決意し応募、そして採用となった。
地域おこし協力隊というと、その地にあまり縁のない人が移住して着任するというイメージを持っていらっしゃる方が多いと思う。しかし、実際にこれまで地元出身者がUターンで地域おこし協力隊になる事例は多数あった。
活動がいろいろな人に届くようになってきた秋
着任当初は観光促進のためのイベント企画と、移住環境整備のために空き家の調査を行い、活用できる物件を調査していた。そして準備していた観光促進が具体的なかたちになってきた夏以降、メディアにも取り上げられるようになりいろいろな人に活動が届くようになった。
地域に注目が集まると、協力隊活動の拠点となっている新宮公民館には、地域の顔役でもある公民館長を通じて地域住民の方から活動を喜んでくれている声が届いたとのことだ。
他の地域では見ない独自の取り組み「川高協力隊」
大廣さんは、母校でもある川之江高校の生徒有志のグループ「川高協力隊」とともに協力隊活動を行うこともある。川之江高校から、地域の活性化を目指して、生徒の企画力・実践力・問題解決能力を養う場にできないかとオファーがあり、彼もひとりで行う協力隊活動を手伝って貰えればとの思いで快諾して始まった取り組みだ。
愛媛県全体の協力隊の中では“若い”大廣さんだが、川高協力隊はさらに10歳近く歳下。生徒たちについて大廣さんは
「最初ははじめてのことだったので戸惑うこともあったと思うが、意欲的に成長してくれて、今では物怖じせずに発言ができたり意見をまとめる力が付いたりしている」
と話してくれた。
協力隊と高校生の交流は今後も何を生み出してくれるのか楽しみだ。
地域定着に向けてさらにスキルを得たい
大廣さんはこれまで旅行業に携わってきた経験から、「国内旅行業務取扱管理者」や「総合旅程管理主任者」の資格をすでに所持している。それに加えて、「他にも新宮地域の観光振興に役立つスキルや資格を取得したい」と話してくれた。資格が証明する能力は、新しいことをやりたい時の説得力にもなる。
これからの協力隊活動でなにをやってくれるのか、注目していきたい。