こんにちは。日直えひめ暮らし、山口がお届けします。
今日は、地域おこし協力隊を卒業してみての振り返りを書こうと思います。協力隊着任中の方も、フリーランスの方も、ふらっと目にしたあなたも、地域での複業のひとつ、ひとりの地域おこし協力隊の卒業後の進路として読み進めて貰えればと思います。
4つのあらたな仕事。
さてさて、着任前までは私は「hug uni(ハグユニ)」という屋号で、都内や地元でフリーランスのセラピストとしての仕事一本で生活していました。個人事業は7年目を迎えていましたが、私の優先順位が ”この仕事ができる場所が1番” から、”生まれ育った田舎での定住” に変わったタイミングで地域おこし協力隊になり、今まで以外の仕事をつくり複業ができることを目指したのです。今年2月に協力隊を卒業して、春からしている仕事の肩書きは4つになりました。
① hug uni セラピスト/リストラティブヨガティーチャー/ファシリテーター
② NPО法人 シルミルのむら 副理事長
任期中に3年間をかけて、地域の人たちと力を合わせて、NPO法人を運営し、なんとか少しづつ動き出し2つめの仕事になっています。地域おこし協力隊も、法人の仕事もはじめてのこと。ひとりだったら出来なかった。受け皿として用意された仕事に精一杯取組む。個人事業主だった私は、地域の人たちと協力しながら、チームで仕事をすることの楽しさを、会社を辞めてから久しぶりに味わったのでした。
舞い込んできた2つの仕事。
私が今、着任している2つの仕事
③ 一社)西予市移住定住交流センター 西予市移住コーディネーター
④ 一社)えひめ暮らしネットワーク 参事
は協力隊3年目までは全くなかった話。3年目で舞い込んできた話です。それでもきっと降って湧いてきた話というだけでもなく、協力隊の活動中や、法人に携わったことで培ってきた何かが、今の仕事との出会いを呼んできたのだと思います。まだ慣れない複業の進行ですが、すこしづつ全てが調和と連携がとれてくるまで、それぞれの仕事を楽しんで理解していきたいと思っています。 それぞれのメンバーとのチームワーク。そして、そこで私ができることについて。
人生は予想外。そして予想以上。
協力隊にちょっと先の卒業後のことを相談されたときに、こんなことをよく言います。
思い通りにいかないことも、うまくいかないことも沢山だけど、自身や周りに対して真摯に向き合い、積み重ねたことは必ず思いもしない形で帰ってくる。だから持っている自分の力を出し切ったらいいよ。 出したら入ってくる。出し切った先にしか見えない、もうダメだ!と思ってからしかやってこない、チャンスに出会って貰いたいなーと思います。そこまでストイックじゃなくても、ちょっと新しいことに挑戦するのがこわければ、「今の自分」のままをさらけだしたらいい。 一歩だけでもいいから踏み出してみたらいい。そうすることで、「自分以上でも以下でもない」今できる事がみえてきます。できないことも見えてきます。その認知の繰り返しでいいのだと思う。 できないことを助けてもらい、できることでだれかを助ける。もちつもたれつで進んでいける。それが移住してきて、変わった働き方でもあります。誰かとでないと行けない所にたどり着ける。その未知の道に、かけがえのない豊かさがあるなーと思ってます。きっとみなさんの歩みのなかにも、予想外の素敵なことがありますよ♪
リストラティブヨガを伝える人に。
リストラティブヨガの出会いもそう。興味はもっていましたが、実際にトレーニングまで受講してヨガ講師になろうとは思ってはいませんでした。一時期、自身がセラピストなのに、自分の心身をコントロール出来ない状況にまで自分を過剰に稼働させてしまったことがあります。
気づいたときはもう何もしたくない気持ちとカラダの状態を手放すことができなくなってしまいました。まずは何よりも自分をケアする方法として学んだのがきっかけ。そこで感じたことは、今後の個人事業を進めていく上でのいいヒントになったし、カラダに触れてほぐし整えるリラクゼーションだけでなく、寄り添うことで深いリラクゼーションに導くヨガに出会えた。とことん地域を見つめた先に会ったのは、とことん自分を大切にすることのできる術でした。そして今、それをまた誰かの為に、分かち合いたいな。と個人の仕事としてリストラティブヨガを伝えています。 もっとこうすればよかったかな?と内省とひらめきを繰り返し、日々練習です。
自分のこころやからだの声を聴く。
“地域” や ”私たち” という主語が増えやすいとき。コミットしていることの厚みによっては、わたしを後回しにするときもあります。「私は本当はどうしたいだろう?」の声が聞こえにくくなったり、 疲弊してしまうときも。そんな時に私が私の為にしてあげたかったことはセルフケアの時間。丁寧に自分の心の声を受け止める事ができる。それって自分の為にも、事業の為にも、地域にとっても大切なことだと思います。 自分の幹を育てるための、休息やメンテナンスや食や生活。結局はそこなしでは動けなくなるタイミングがくるから。 進んだり休んだり、私や地域をいったりきたり。
協力隊の3年間で備えられたこと。
3年間は、本当にいろんなことがあるけれど、過ぎてしまうとあっという間。 気持ちも時間も慌ただしいけれど、給与をいただけている内に自身の為に備えておきたいことに着手しておくことは大切だなと思います。 私が、3年間で備える事が出来たと思うことは、 こんなこと。
・ 勉強が出来た。
・ 今とこれからについて沢山考え続けた。
・ 新しいことに取り組める環境があり、積極的にチャレンジした。
・ 正解がない分、失敗も沢山できた。そして失敗を成功に持っていくための場があった。
・ こつこつとしかつかない力をつけることが出来た。
・ 先輩にガンガン質問した。
・ サポートをしてくれる人に頼った。
・ 地域の人に、いろんなことを教えて頂いた。
経験を自分に備蓄してつくる ”資産” は沢山得たと実感しています。えひめ暮らしネットワークも、そんな風に活用できるひとつの場になればと思っています。今、自分のために出来ること。きっとそれが皆さんの未来を支える糧となるはず。実感しているからこそ、何度も言います。なんでも相談してくださいね。
季節は潔く進んでいく。
さてさて季節は待ってくれません。自粛モードから一転。世の中が新しい方法で動きはじめる足音が聞こえてきています。それまでに自身で整えておきたい、備えたいことはなんでしょう?どんな状況でも、気持ちでも、季節や自然の営みの方が先に先に季節を進んでいく。美しい力強さを目の当たりにできるのが地域で暮らす、私の喜びでもあります。それだけでは生きていけなくても、それに生かされている。移住した人ならばきっとそんな瞬間が味わえるかもしれません。それぞれの生業や日々を共に楽しんでいきましょう。
そしてそんな気分じゃないときは、布団をかぶって眠りましょう。そんなあなたも大切に。