伊予市地域おこし協力隊 荒井 綾子さん
海も山も町も近い場所に住んでいます。
仕事が終わった後、まっすぐ伊予港に行き夕日をみることも、下灘駅までドライブに行くことも、商業施設「エミフル」で買い物することも出来ます。地域の人々とは、野菜をもらったりお返しをしたり、挨拶をしたり立ち話をしたり、関わりや触れ合いが常にあります。日々の暮らしの中に自然と便利さと温かさがある、ちょうどよい暮らしを伊予市で送っています。
旅が移住のきっかけに
5年前、テレビで下灘駅の特集番組を見て、横浜から車で下灘駅まで旅をしました。海沿いの夕焼けこやけラインを走っている時に「いつか住みたいな」と思ったのが移住のきっかけです。東京で行われた愛媛県の移住相談会で、地域おこし協力隊を利用して移住することもできると教えてもらい、早速応募しました。協力隊は移住の手段でした。
長年、福祉分野で仕事をしていたため、それ以外の仕事をしてみたかったことと、家と職場との行き来だけの日々にない暮らしをしてみたかったところに、「移住」というキーワードが自分の元に響き心が動きました。
協力隊の活動とそのつながり
活動範囲は伊予市全域です。農家さんたちとは季節毎、道の駅や産直市の方々や近所のひとたちとは日々関わることで、それぞれのやっていること、やりたいことを知り合い、共感する機会を作っています。農家さんに取材依頼をし、一人で訪ねることもあれば、伊予市のインスタグラマーやその地域の協力隊と同行することもあり、関係者それぞれの良さが出会い、新たな形で活かされたらいいなと思いながら、人のジャンクション的な役割を担うことを試みています。
道の駅にもよく行きます。責任者である駅長にはミッションに関わる部分で協力していただくことがあります。テナントなどで働く方からは、客の動向や商品の売れ具合、お店の新商品の情報を教えてもらう一方で、お客さんに対してはお土産やおススメの飲食店などの情報提供をしています。
そして、これらの活動からつながり、共感し合った人たちと、市内のゲストハウスやバーなどで集い、その場のフィードバックをしたりワイワイ語りあう、「伊予市を考える会」を開催しています。こちらはプライベートな雰囲の中でビジネスにつながるアイデアがたくさん飛び交い、今後おもしろい動きが生まれそうです。
つながりの先にあるもの
協力隊の活動を通して地方の課題(高齢化、人口減少、空き家etc)も日々感じつつ、これまで経験した組織の中で勤める働き方ではなく、自分が心地よい暮らしを中心に生業を作っていきたいと考えるようになってきました。そして、今協力隊として活動している伊予市と変わらない状況が、地元にもあることに気づいた時、協力隊で学んだことを地元へ還元したいと思うようになりました。
両親は高齢になり、いつか実家も空き家になります。伊予市で空き家を活用した事業に取り組む中で、ノウハウを溜め将来は実家のある地元へ還元できるのではないかと考えています。
伊予市で帰省した時の泊まる場所のニーズが増えていることと、地域活動をしている人たちの集う場が必要であること、移住を考えている人たちが増えていること、通常の観光ではなく現地交流が求められていることなどを考え、民泊事業をしようと思っています。現在は、空き家探しの段階です。
民泊事業とともに、自身の体験から移住に関係することにも関われたらという思いです。また、現在ミッションとして取り組んでいる伊予市観光物産協会の法人設立後も、引き続き何かしらの形で関われたらと考えています。