みなさん、こんにちは。えひめ暮らしネットワーク事務局の千々木です。
先日開催された、四国の地域おこし協力隊等交流勉強会in愛媛県レポート第二弾をお送りします。
研修1日目のレポートはこちら。
今回の研修では、「地域おこし協力隊活動と自己実現」をテーマにしており、2日目に開催された分科会では、4つのグループに分かれ、ワークや事例紹介など、様々なスタイルで自分に合った形でテーマについての考えを深められるようにしました。
分科会①「起業・生業づくりワークショップ」
今日は、4つの分科会のひとつ、分科会①「起業・生業づくりワークショップ」のレポートをしたいと思います。分科会①は、個人ワークを主とした分科会です。
この分科会では、地域おこし協力隊を経て、地域で生業を作っている鍋島悠弥さんから、地域での生業づくりに必要な考え方を学び、実際に融資を受けた事業計画書を見ながら、それぞれの事業計画書作成ワークに取り組みます。
鍋島さんは、今治市の地域おこし協力隊第1期生として地域に入り、地域で暮らして9年。協力隊としても移住者としても、悩んだり地域とぶつかったりしながらも、活動地域だった集落に定住し、地域の方々から愛され、地域に根差した農園と農村ゲストハウスさかりばの運営をしています。
協力隊活動を経てゲストハウス開業をするにあたり大切にした、時間や費用がかかっても集落の業者さんに施工をお願いすること、地域の人にも開かれた場にすることといったことから、開業のタイミングで襲った西日本豪雨災害の影響についてなど、具体的な話を通して、地域での生業づくりに大切なことを学びました。
生業づくりだけでなく、地域おこし協力隊として活動する中でもヒントになる考え方がたくさん散りばめられた講義でした。
事業計画書を書いてみよう!
後半は、鍋島さんがゲストハウスを開業するにあたり実際に使った事業計画書を見ながら、参加者それぞれの事業の計画書を作っていくワークをしました。
任期後の事業内容が固まっている人は半数くらいだったにも関わらず、ワークが始まるとみなさん真剣にワークシートに向き合い、どんどん記載していきます。
書くことで具体的になっていく事業計画書。
私も自身の事業計画書を作る時にとても苦労したのですが、一人で作ろうと思ってもなかなか進まないことが多いので、こういう研修の場を利用して進めていくと、曖昧なところ、具体的に書けないところなど、事業計画の弱い部分が見えてきます。今すぐ書けなくても、弱い部分がわかっていれば、活動や起業に向けた動きの中で解消していくこともできます。
グループ内で発表し合い、意見交換をする時間も設けました。意見をもらうだけでなく、他の人の事業計画を聞くことで、参考になったり、刺激を受けたりすることができます。
起業、生業づくりといってもその内容は様々。いろいろな事業の計画がありました。
「地域ごと」と「自分ごと」をミックスしていく
協力隊が地域で起業する、というと華々しく取り上げられがちですが、地域で起業することは、単なる自己実現ではありません。
地域おこし協力隊として地域に入ったからこそできる、自分の生業の実現に向けた「自分ごと」と地域の困りごとの解決や魅力の発掘など「地域ごと」のバランスをとること、そしてゆくゆくはそれを二つに切り分けてバランスを取るだけでなく、境界を曖昧にミックスしていくこと。
地域らしさと自分らしさを組み合わせて生業を作っていくことこそ、地域おこし協力隊に求められているものなのではないか、と考えています。自分ごとだけでなく地域ごとに根差した事業になっていくことで、その事業もより魅力あるものになっていくのだと思います。
今回の研修で取り組んだのは事業計画の一部ですが、今回の分科会でのワークをきっかけに、参加したみなさんの事業計画が少しでも具体的になったり、前に進んだりしていたら幸いです。
えひめ暮らしネットワークでは、起業・生業づくりに焦点を当てた研修なども行っているので、ぜひ興味関心がある方はチェックしてみてくださいね!