四国の地域おこし協力隊等交流勉強会in愛媛県④

みなさん、こんにちは。えひめ暮らしネットワーク事務局の千々木です。

先日開催された、四国の地域おこし協力隊等交流勉強会in愛媛県レポート第四弾をお送りします。

研修1日目のレポートはこちら

研修2日目の分科会レポートはこちら⇒分科会① 分科会②

分科会③「事例発表」

今回の研修では、「地域おこし協力隊活動と自己実現」をテーマにしており、2日目に開催された分科会では、4つのグループに分かれ、ワークや事例紹介など、様々なスタイルで自分に合った形でテーマについての考えを深められるようにしました。

4つの分科会のみっつめ、分科会③「事例発表」のレポートです。 分科会③は、活動事例発表を行う分科会です。

地域おこし協力隊だけでなく、自治体職員の方々も聴講していました。

この分科会では、研修に参加している四国四県の各県を代表して、1名の方に地域おこし協力隊としての活動事例を報告していただきました。

各県に事例発表者を選出いただく際にも、「地域おこし協力隊活動と自己実現」をキーワードとして選出していただきました。資料を準備する段階で圧倒されるような発表資料に、発表者のみなさんの熱意を感じました。

徳島県:美波町 西蔵翔太さん

 今年着任したばかりながら、精力的に活動を広げている西蔵さん。

愛媛県今治市の大三島で地域づくりにも関わったという異例の経歴の持ち主です。

 失敗を恐れずまずはやってみる精神を大切にしながら、地域に元々あるもの、メディアを活用して地域にこれまでなかったものを作り出したり、公共と民間をつなげる動きをしたりしています。

香川県:高松市塩江町 相曽晴香さん

 イラストレーターとしてイラストやデザインの仕事で独立を目指しながら、子どもの居場所づくりにも関わりたいと考えていた相曽さん。

 地域の特産品を活かした地域活性をしてほしいという地域ニーズとやりたいことのバランスをとりながら、活動をされています。

 地域や自分のためにやりたい仕事や取組みと、生活のために必要な仕事のバランスをとっていくところは協力隊にとってとても大切な部分です。

高知県:香南市 齋藤光明さん

 1年目からステップを踏んでトライアンドエラーを繰り返し、活動の中での自己実現を考えてきた齋藤さん。

 ミッションとなる活動の中でどう自己実現を考えてきたのか、ということをお話いただきました。

 自己実現だけでなく、地域のことを考えることで、協力隊だからこそ実現できるよりよい自己実現に繋がっていくのではないかと思います。

愛媛県:愛南町 中本健仁さん

最後は愛媛県を代表して、農業振興ミッションで活動中の中本さんの発表です。

活動する中で変化したご自身の思いから、迷ったことも失敗したことまで、包み隠さず話してくださいました。

ただ柑橘を育てるということではなく、PRや販路の開拓まで、活動の幅が広がっていきます。

活動を始めたばかりの人にも任期満了が近い人にも参考になる話がたくさんあったのではないでしょうか。

事例発表をする愛南町の中本さん

自己だけ考えて自己実現はなしえない

各県の代表者それぞれ活動の内容も考え方も様々ですが、自身の活動や生業づくりを実現していく根底に共通しているのは、自分自身の自己実現だけでなく、地域に根差した活動や地域必要なものを考え、着実に実践を重ねてきたということです。

UターンでもIターンでも、移住でなかったとしても、地域に暮らしながら自己実現を目指していくとき、地域ごとと自分ごとをかき混ぜて考えていくことが、なにより大切になってくるのだろうと思います。

参加者から質問も出ました。

事例発表を通して

協力隊の活動は地域やミッション、隊員の特性によって様々なので、ほかの自治体での協力隊の活動がそのまま参考になるということは稀です。

しかしながら、地域にそれまでいなかった人が、別の地域から移住をして活動をしているという共通事項の上で、地域との関係やミッションとの兼ね合い、自身の実現したいことをどう捉え、動き、変化させていくのか、というところは、協力隊の誰もが通るところであり、協力隊に限らず、地域に暮らしていく上で重要な部分になるのではないでしょうか。

そういう意味では、今回発表いただいた4名の方をはじめ、この研修での交流を通し、関わり合った誰しもの活動が、刺激や気づきになるはずです。ぜひ小さな刺激や気づきをそのままにせず、日々の暮らしや活動に活かしていってください。そうすれば、2日間の研修が2日間では終わらない、価値を生んでいくのではないでしょうか。