どんな町に暮らしたい?

移住者が移住者を呼ぶ?

近頃、移住を考えているという人が私の運営する店「こりおり舎」を訪れてくれることが増えてきました。

今治市で地域おこし協力隊になることを考えているという人もいれば、しまなみ海道やゆめしま海道、とびしま海道の島々への移住を考えているという方も。私自身が移住者であるということを知って、足を運んで下さったり、移住相談をしてくださったりしているようです。

私が移住先を大島に決めたポイントのひとつに「移住者が店を開いて続いている」というところがあります。

友浦サイトさん、パン屋paysanさん、食堂みつばち(現・結乃屋MITSUBACHI)さんなど。素敵なお店ばかりなので、コロナが落ち着いたらぜひ足をお運びくださいね。私が移住してからさらにすてきなお店が増えていますよー。

インターネットで大島の情報を調べたときに、移住者がいること、移住者が店を持って残っている(受け入れられている)こと、がとても心強かっただけでなく、自分が暮らす場所にステキなお店があるということが魅力に感じました。

まだまだ私は移住してからも開業してからも年月が短いですが、移住して開業している、ということで相談しやすい場所になれているならばいいなぁ、ゆくゆくは移住を後押しするような場所になれたらいいなと思っています。

パン屋paysanさんの手作り窯で焼いたおいしいパン。

〇〇がある町にくらしたい

突然ですが、みなさんは、暮らす町にあったらいいなと思うものはなんですか?

日用品の揃うスーパー、ちょっとしたDIYに便利なホームセンター、24時間営業のコンビニエンスストア…そういう生活に必須なものは移住を考えるときにはもちろん大事。(←ちなみに大島には全部あります。意外と便利)

日常的に利用する場所は、どのくらいの距離にあるか、確認しておく必要がありますよね。

今回はそういうものは一度置いておいて、あったら暮らしが豊かになるな、楽しくなるな、というものについて。

たとえば…

おいしいパン屋さん、ふらっと立ち寄れる花屋さん、おしゃれなインテリアショップ、個性的な本屋さん、素敵な作家さんと出会えるギャラリー、人情を感じる商店街、1日過ごせるショッピングモール、流行のものが集まるセレクトショップ、マニアックな上映をする映画館、のぼれば海の見える高台、キャンプのできる広い公園…。

移住前には意識していなかったけれどあってよかった、公園。

私の場合は、暮らしに必要なものはネット通販で購入したりまとめ買いしたりすればそんなに便利じゃなくてもいいけれど、日常的に行けるパン屋さんや本屋さんが近くにあったらいいなぁと思っていました。移住してしんどい!と思うのも(あまりないですが)、「買い物が不便!」よりも「美術館がない!」の方が強いですね。

実際に毎日行くわけではないけれど、そういうものがある町に住みたいなぁ、みたいなこと、移住ではなくても、都会で引っ越しを考えるときにもあるのではないでしょうか。私は移住前に進学や転勤、転職で日本各地あちこちの町に暮らしたことがあって、自分にとって「あったらいいもの」「なければいけないもの」みたいなものがわかってきたように思います。

移住を考えるとき、「不便じゃないか」「困らないか」みたいな方に目が向きがちで、そこをしっかり考えたり調べたりして潰しておくことはもちろんとても大切ですが、ちょっと一息ついて「わくわくするか」「うきうき暮らせるか」みたいなことも考えてみるのも大事なのかなぁと思っています。

案外、「わくわく」「うきうき」があれば、多少の不便や困りごとは乗り越えられることもありますよね。

私自身、島暮らしの決め手は「どうせ地方に移住したら多少は不便なのだ」ということが前提にあり、「島暮らしってなんかキラキラしてるな」という気持ちでした。

そう考えながら初めて島に訪れたとき、paysanで口にしたパンとみかんジュースがおいしくて、このパン屋さんがある島なら暮らしていける、と確信したのです。

移住してから5年くらいですが、その間にもできて嬉しいなと思う場所ができたり、そういうの欲しい、と思う場所を作りたいという人が移住してきたり、どんどん楽しい場所に進化しています。

ちなみに、本屋さんはなかったので作りました(笑)。私自身も本屋がある町に暮らしたいし、本屋がある町に暮らしたいと思う人の選択肢に上がったらいいなと思っています。

ぜひ、みなさんも暮らす町にあったらいいなと思うもの、考えてみてくださいね。考えたり、あったらいいよねと言っていると、作れる環境が整ったり、やりたい人が現れたりするかもしれません。